現在のバージョンではRTXシリーズ、GTX16XXシリーズの全てが私の確認した方法ではファンコントロールが出来ないようでした。
RTXシリーズ等の新しいカードでもファンコントロールが可能なバージョンがリリースされました。
前のバージョンのファイルが残っていると、新しいバージョンをインストールしてもファンのコントロール機能が使用できない状態になるようでしたので、しっかり昔のバージョンファイルを削除してからインストールしてみてください。
「グラボ 寿命 延ばす」の検索で来られる方が多いようですが、
ファン設定を変更することでグラボに負荷がかかった際に冷却性能を上げることで熱暴走による故障を防ぐ効果があるため、
あながち間違いではないと思っています。
通常使用であればグラボに負担はそこまでかからないので、寿命を気にせず壊れるまで使い続けることが出来るかもしれませんが、パソコンでゲームをしていると特に元気よく爆熱になったりするグラフィックボード。
グラフィックボードの役割は主に描画処理をする時に活躍してくれるパーツなので、動画を見ている時や画像編集や動画編集、ゲーム、マイニングをしている時は、なにかとバリバリ頑張っている為、発熱量が凄いことになってしまいます。
特に制限をかけない場合は、グラフィックボードは要求に応じて自分の限界値まで性能を発揮してくれますので、当然比例して温度も消費電力もグングン伸びていきます。
夏の期間中はPCケースのサイドパネルを開放して扇風機の強風MAXをあててあげるだけでもかなり温度が下げることが出来ます。
また、ゲームのFPSが60FPSの動作で問題ない場合は、垂直同期をONにすることで60FPSで動作させることが出来るので下手に垂直同期をOFFにして、グラフィックボードにそれ以上のパワーを出させないようにさせることでも、十分寿命や冷却効果が期待できると思われますので、まずは設定を変更することから始めてみましょう。
冷却性能が悪い状態で使用し続けてメインの基盤が壊れてしまうよりであれば、ファンの回転速度を従来よりも高回転で回すことで冷却効果は上がります。
その分、ベアリングやファンの寿命は早まってしまうかもしれませんが、熱によってグラボの基盤が傷んでしまうスピードと、ファンの温度に応じて上昇させるように設定された少し負荷がかかったファンが傷んでしまうスピードを比べた場合、グラボの機能として長生きさせるには、前者が有効であると考えています。
グラボの基盤をまるごと交換、または買い替えをするよりであれば、ファンの交換費用の方が遥かに安く済ませることが出来ます。
また、グラボのファンの交換は最終手段であって、騙し騙し使うのであればファンの材質や機構にもよりますが、シリコングリスを塗布することでファンの異音はもちろんカバーすることが出来る場合があります。
もくじ
MSI Afterburnerを使用してグラボのファンの速度調整をしよう!
Afterburnerの使い方
AfterBurnerとは、MSIさんが提供している無料で使用することの出来るオーバークロックツールです。
オーバークロックと言えば更に負荷をかけて性能を上げる限界突破することですが、このツールを使用して限界突破をするのではなく、アンダークロックツールとして今回は使用します。
グラフィックボードの型番やメーカーによっては、ファンの個数等が違うため冷却性能に差が生じますが、頑張らせた際に生じる温度上昇を完全に防ぐことは難しいです。そこでフリーソフトを使用して少しでもグラフィックボードの最大消費電力や周波数、ファン速度等の設定を変更して負担を軽減させてみました。
また、オーバークロックによる故障はメーカーでの保証は原則対象外になってしまいます。
各メーカーからもグラボの動作を設定するソフトが出ていますが、今回はツールソフトが無い型番でもある程度カバーできるソフトを選ばせていただきました。
使用するソフト:MSI Afterburner(https://www.msi.com/Landing/afterburner)
アクセスしていただき白枠のダウンロードをクリックするとダウンロードが始まります。
ファイル名は MSIAfterburnerSetup.zip です。
ファイルを解凍すると、Ver名のフォルダがあるのでそのフォルダをクリックします。
※前バージョンを使用している場合にはAfterburnerを終了しないとインストールが正常に完了しません。
クリックすると中にはインストールするためのファイルがあるのでクリックしてインストールを開始します。
私の場合は、MSIAfterburnerSetup463.exeのファイル名がありました。
ライセンス契約に同意した場合はチェックを入れて次へ進みます。
チェック項目にRivaTunerStatisticsServerの項目がありますが、これは私のようにゲーム中や動画などをプレイ中にFPSやCPU,GPU,RAMなどの各種使用率をモニタリングしてくれるツールなので不要な場合はチェックからRiva~を外して次へ進んでください。
淡々と進んでいくと無事インストールが完了します。
Afterburnerのおすすめ設定と使い方
最新バージョンからユーザーインターフェースがにぎやかになってきたので私が紹介しているインターフェースに一度変更してから設定の調整をしていただくと分かりやすいです。設定が完了してから好きなインターフェースに変更してください。
1・赤丸で囲まれた歯車アイコンをクリックします。
2・「ユーザーインターフェイス」の項目をクリックして、「ユーザーインターフェイスのスキンプロパティ」にて、
「MSI Cyborg Afterburner skin White by Drerex Design」を選択すると本記事と同じインターフェースに変更できます。
実際に起動をしてツールを確認していきましょう、設定などに関しては個人的な部分が多く含まれているため、皆さんで調整をお願いします。
デスクトップ画面にもロケットのようなアイコンでAfterburnerのショートカットが作成されていると思いますが、そちらをクリックして起動させるか、タスクトレイに最小化されている場合があるのでその場合はタスクトレイをチェックしてロケットアイコンをクリックしてください。
メイン画面は以下の画像の様に表示されます。(今は下記項目は触りません。)
Core Voltage(%):GPUに供給する電圧を設定します、電圧を誤って高く設定してしまってもグラボ側で制御されているので壊れる可能性はありませんが、万が一を考え注意して設定しましょう。
Power Limit(%):グラボに使用する電力を設定します、100%をベースに下げれば省電力に、上げればOC向けの設定となり発熱も負荷も上がります。
Temp.Limit(℃):サーマルスロットリング機能を何度で適用するか設定します、設定温度に達した際に周波数が下がりグラボにかかる負荷を抑えることが出来ます。
Core clocks(Mhz):GPUの本来の性能の数値から下げたり上げたりすることでパフォーマンスを変更できます。当然、プラスにした場合はグラボに負荷がかかるので注意が必要です。ゲームをプレイする場合にはコアクロックを上げることでパフォーマンスが向上する場合がありますが、ゲームタイトルによっては逆に低下する場合もあります。
Memory Clocks(mhz):GPUの本来の性能の数値から下げたり上げたりすることでパフォーマンスを変更できます。当然、プラスにした場合はグラボに負荷がかかるので注意が必要です。メモリクロックを上げることでマイニングをする場合にはパフォーマンスが向上する場合があります。
Fan speed(%):自動ファン制御プロパティ項目でファン制御を有効にした場合、温度に対してファン速度をコントロールしてくれます。
まずは、パソコンが起動したら自動的にAfterburnerも起動するように設定します。
水色のWindowsアイコンを押して赤くなればWindowsが起動したときに、自動でAfterburnerが起動するように設定されます。
設定画面に入るため、以下の歯車アイコンをクリックします。
インストール初回時はこのような状態にはなっていない場合があります。
また、グラボを新しく換装した場合や、増設した場合などはグラフィックドライバーが適用されていないと全ての設定を使うことが出来ず、グラボの型番も表示されません。
その場合には一度グラフィックドライバを更新させてグラボが認識してからAfterburnerを再起動するか、PCを再起動させて搭載しているグラボの型番が表示されているかチェックしましょう。
全般タブの項目にある、
全体的なプロパティ項目のWindowsと一緒に起動/最小化の状態で起動にチェックを私は入れています。
安全上のプロパティ項目のEnable 4つあたりが全て未チェックの状態になっている場合もあるのでチェックが入っているか確認します。
特にAfterburnerをインストールしたのにグラボの認識がしない!なんて方は安全上のプロパティ項目にある、「Enable hardware control and monitoring」にチェックが入っていないとグラボの情報を読み込まないのでしっかりチェックしておきましょう。
ファンタブに移動してみましょう。
ここでは、グラボの温度に対してファンの回転数をどれ位上げるかを設定することが出来ます。
あくまで私の場合は、上記の設定になっていますが、グラボのファン数やゲームタイトル等によっても負担が大きく変わってくるので温度を見ながらファンの回転数を上げてあげて高温になるのを防いであげれたらと思います。
現時点では、30度で40%、40度で50%、それ以降は80度で100%になるように直線で繋いでいます。
MSI AfterBurnerのファン 設定おすすめとまでは言えませんが、この設定で大体ゲームプレイ中に50度程度で収まってくれています。
ユーザーソフトウェア定義による~にチェックを入れることで有効化が可能になります。
設定が反映していることを確認できたらメイン画面へ戻ります。
PowerLimitを90%(自由)に設定して、TempLimitを65℃(自由)程度に設定してチェックマークボタンを押して反映させます。
全ての設定を変更し終えたら、現在の状態を保存しておかないと起動毎に設定をし直さないといけなくなってしまうので画面右部にある、フロッピーのようなボタンを押します。
そうすると、1・2・3・4・5が点滅するので好きな場所をクリックします。そうすることで設定を保存することが出来ます。
Power Limitの値を変更して消費電力を下げる
power limitの値は、デフォルトで100%になっている状態から私は90%に下げて運用しています。
Power limitの値を上下させることで、グラボに供給する電力量の値を変更することが出来ます。
例えばGTX1060-6GBの発熱量は、120Wなので90%にすることでグラボが消費する電力は108Wになります。
そうすることで最大消費電力が抑えることが出来て、それに伴いグラフィックボードの温度、ファンスピード等も下げることが出来ました。
ファンスピードを制御している場合は、温度に対してファン回転数が変動するので、温度の上昇は抑えることが出来ますが、その分ファンのベアリング消耗度の悪化は否めないのですがたかがファンなので、グラボの性能が根本的に壊れてしまうよりは、ファンの軸ズレによる異音だったりが殆どです。またその異音もある程度であれば、逆に高回転数で回すと軸のブレが無くなり音が消える場合もありました。
power limitを下げる→消費電力が減少しそれに伴い温度、ファンスピードも下がりグラフィックボードのコンデンサやファンのベアリング等の寿命を延ばす効果は上がったと言えるでしょう。(ファン制御を有効化しない場合)
だったらこのPower Limitの数値を最大限まで下げればいいのでは?と思った方もいるかと思いますがそうすることによりゲームなどの重い負荷をかけた際に、グラボ本来の性能が出しきれないため、カクついたりその他不具合が生じる場合がある為、自分にあった量を少しずつ調整しながら下げる必要があります。
100%と90%を比較すると、性能をFF14ベンチマークで動作させた際のスコア、消費電力、温度、ファン速度、を考慮すると90%時でもそこまで大幅にベンチスコアが下がることなく消費電力、温度、ファン速度を下げることに成功したので個人的な意見としては75~90%をおすすめします。
100%と75%の設定時のベンチマーク測定中の消費電力が、300~350と50Wも差が出ている事が確認できました。
消費電力なども気にされている方であれば、ほんの少しpower limitを下げるだけで大幅に節約できるのは大きいですよね。
i7-9700K+GTX1080Ti
システム電源プラン・・・バランス(推奨)
Nvidia3D設定の管理・・・クオリティ&最適電力
75%・・・18884
80%・・・18993
85%・・・18938
90%・・・19142
95%・・・19120
100%・・・19165
一度の測定なのでスコア自体が300程度はどうしても前後してしまいます。
※FF14紅蓮のリベレーターベンチマークにてPowerLimitの値によるスコアの比較は下記になります。
ゲームの設定を見直してグラボへの負荷を抑える
After burnerの設定変更以外でもグラボの稼働を少しでも抑えることが出来るように改善することが出来ます。
例えばゲームをする場合であれば、垂直同期を有効化することで使用しているモニターのリフレッシュレートに応じた数値になりますが、垂直同期を有効化にしないとグラボのパワーをマックスに使用して稼働してしまうので特別な理由がない限りは垂直同期にチェックを入れてパワーを抑えてあげるのも効果的です。
60Hzのモニターで垂直同期を有効化にしてフレームレートの上限を60FPSにした場合
GPU(グラボ)に対して必要以上に負荷がかかっていないためGPU使用率がそこまで高くありません。
60Hzのモニターで垂直同期を無効化にしてフレームレートの上限を無しにした場合
必要以上にFPSが上がってしまい、GPUの使用率は20%以上上がってしまっています。
これは解像度や画質の性能が高くなるにつれて使用率も上がってしまうので最悪の場合はGPU使用率が垂直同期を無効化したことで100%になってしまい、カクカクになる場合があります。
例えば一般的なモニターのリフレッシュレートは60Hzなので、ゲーム内ではいくら頑張っても60FPSしか描写することが出来ません。そんな中で垂直同期を無効化に設定した状態でゲームをプレイするとFPSが300FPS出ているのにカクつく!ラグい!なんてことが発生してしまいます。
よくお客様の中でもメールでご相談いただく内容でも頻繁に多い相談の1つです。
原始的な方法だけど効果は抜群
サイドパネルを開けて夏の暑い時期は扇風機を0距離に置いて中風から強風にして浴びせちゃいましょう!
大昔に私がやっていた方法ですが発熱の高いグラボを使用していてもこの方法で80度あたりから一気に40度くらいまで下がりました。
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